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親愛なる小林啓様。

さくら学院とBABYMETALの制作スタッフの謎を紐解く

マニピュレーター宇佐美秀文氏はBABYBONEの化身なのか?(その2)

マニピュレーター宇佐美秀文氏はBABYBONEの化身なのか?(その1) - 親愛なる小林啓様。

(からの続き)

 

Liveマニュピレーターとしての活動

前回までに宇佐美氏の師匠にあたる田辺氏の経歴をまとめました。

日本のデジタルミュージック黎明期からのスピリットを受け継ぐ楽曲制作のプロフェッショナル:田辺恵二氏(その1) - 親愛なる小林啓様。

日本のデジタルミュージック黎明期からのスピリットを受け継ぐ楽曲制作のプロフェッショナル:田辺恵二氏(その2) - 親愛なる小林啓様。

この師匠の動きを念頭に再度宇佐美氏の経歴を追っていきましょう。宇佐美氏については2000年春頃からのゴスペラーズのプリブロサポート、2000年10月からの同じくゴスペラーズツアーへのLiveマニピュレーターとして帯同を開始するまでを前編で追いました。

一方、田辺氏は2000年頃からマニピュレーターの仕事から除々に作編曲の仕事にシフト。宇佐美氏はこれを引き継ぐ形で、アシスタントという立場から、Liveマニピュレーターへステップアップしていきました。田辺氏がいつまでゴスペラーズのツアーへ帯同していたかは定かではありませんが、宇佐美氏の発言(「マニピュレーターとしてバンド入り」)を見る限り、2000年10月からLiveマニピュレーターとして独り立ちしたものと考えられます。

そして、ここから一時期を除いて、現在(2017年)に至る17年に渡ってゴスペラーズのLiveマニピュレーターを勤めていくことになります。2000年10月からのゴスペラーズのの公演数を公式サイトからざっくりカウントしてみました。

2000年 24公演(2ヶ月)
2001年 26公演(3ヶ月)
2002年 50公演(2ヶ月半)
2003年 38公演(うち 6公演はフェス出演、期間不明)
2004年 59公演(6ヶ月)
2005年 39公演(期間不明)
2006年 約10公演(フェス公演数、期間不明)
2007年 約62公演(5ヶ月)
2008年 21公演(1ヶ月半)
2009年 66公演(4ヶ月半)
2010年 24公演(2ヶ月半)
2011年 約55公演(6ヶ月)

ゴスペラーズ公式サイト|GosTV

全ての公演に帯同していたかどうかの記録は見当たらないのですが、宇佐美氏のプロフィールを見る限りほとんどの公演に帯同していたと想像できます。これは既に裏方というよりはゴスペラーズの一員と言った方が良いのかもしれません。

宇佐美氏は後々のBABYMETALのマニピュレーターとしての立ち位置と比較してこんな発言をしています。

ゴスとは立ち位置が違った(スタッフ枠)ので出来ること…というか立ち入る範囲を意識的に離さなければいけないなと思い、それまでに培ってきたものをバンド視点からのアドバイス、みたいにはしませんでした。その代わりスタッフサイドから出来ることはなるべくやったつもりです。

usamix's note "baby talk" Rev.E: 2月 2015

つまりBABYMETALではスタッフ(裏方)として、ゴスペラーズバンドメンバーとしてということなんですね。しかしスタッフ枠バンドメンバー枠という立場に関わらず、マニピュレーターとしての宇佐美氏の哲学は、バンドサウンドの一部を担っている=バンドの一員であるという意識が強いようです。

 ステージ上いる時もあればステージ裏にいる時もあります。ですが、音楽の1パートを担っているという意味でも、気持ちは常にステージの上にあります

いないと成り立たない…音楽ライブを支える「マニピュレーター」という仕事とは? – しらべぇ | 気になるアレを大調査ニュース!

田辺氏の活動開始は古内東子プリプロの仕事からLiveマニュピレーターへ。宇佐美氏もこれをなぞるように、ゴスペラーズプリプロからLiveマニュピレーターへ・・・これは田辺氏からの後押し、もしくは宇佐美氏が田辺氏の活動経歴を手本としていたからかもしれません。

更に宇佐美氏はLiveマニュピレーターと並行して様々な作編曲の仕事も始めていきます。これも師匠の経歴をなぞるように。

 

 

作編曲の仕事を開始

宇佐美氏は、2002年のゴスペラーズの楽曲から本格的に作編曲の仕事を始めます。これより以前の1995〜98年に作曲の仕事はしていますが、本格的にポピュラー音楽(商業音楽)としての作編曲家のキャリアのスタートはこの2曲になります。

ゴスペラーズ「ポーカーフェイス featuring Rhymester」(作曲 with 黒沢薫

ゴスペラーズ北極星」(作曲/編曲 with 松本圭司)

興味深いのは「北極星」は、アカペラ曲であること。作曲だけにとどまらず、ここでの編曲とはいわゆるコーラスアレンジに当たるはずです。まさに黒人コーラスを手本とするゴスペラーズの中での宇佐美氏の立ち位置が、最新機材に関するエンジニア的な役割から、より音楽的な役割へシフトしていったのであろうと想像できるからです。(共同作業者の松本圭司氏は元T-Squareのキーボーディスト)

また翌年2003年には、ゴスペラーズ以外の楽曲も手がけることになります。SPEEDのプロデューサーは、師匠の田辺氏のThe Gardensのプロデューサー(伊秩弘将氏)でもありますから、明らかにこの繋がりで手がけることになったのでしょう。

SPEED「Walking in the rain」(編曲 with 松本圭司)

宇佐美氏のプロフィールにもある幼い頃からの作編曲家になるという目標は、意外に早く達成されたことになります。

幼少期より楽曲制作に興味を持ち、中学時代にシンセサイザーに没頭、この頃より映画音楽やジャズフュージョンに強い影響を受け、 作編曲家を目指す。

about me - usamix's note

そして、その後もマニピュレーターの仕事と並行しながら、ゴスペラーズを中心 に作編曲の仕事は続いていきます。

2004年7月11日
そんな僕でも15年以上やり続けているものが音楽です。曲書き。作曲というと堅いイメージがあるので、昔から「曲書き」という言い回しにこだわってます。
実際に曲を作り出したのはもっと前の小学生のころで、当時熱中していたコンピューターでプログラミングして音を鳴らしていました。もっとも、楽曲と呼べるものを作っていたかというと甚だ疑問ではあるのですが。

usamix's note "baby talk" Rev.E: 自己分析

   

 

BABYMETALのライブサポート

2012年には(ご存知のように)宇佐美氏は、BABYMETALのLiveマニピュレーターを始めます。 2012年10月6日に行われた「LEGEND "I"」はBABYMETALとして初めて生バンドをバックに行ったライブであり、このライブが宇佐美氏の初参加となりました。

直後の本人のブログにも記載がありました。

2012年10月11日
今月は初現場のBABYMETALにマニピュ仕事で参加してきました。
テンポ200超えがデフォルトのステージは初めてだったのですが、メンバーのパワーに引っ張ってもらって終始テンション高く突っ走れました。爆音ライブ、楽しかったです。

usamix's note "baby talk" Rev.E: 次の準備を

この約1年後のブログでは、このように発言されていますので、準備期間として約1ヶ月前の2012年9月中旬から仕事を開始していたようです。(初のミーティングがあったようです)

2013年9月22日
僕がこのプロジェクトに参加したのはワンマンライブ「LEGEND I,D,Z "I"」からなので、準備期間から考えるとちょうど一年が経ったことになります。

usamix's note "baby talk" Rev.E: イナズマロックフェス 2013 / BABYMETAL

BABYMETAL側の動きについては、いつものようにふらこメタルさんのこのエントリを参照下さい。

su.hatenadiary.com

ここに引用されている、すぅちゃん(SU-METAL)のブログを見ると、初のイヤモニ装着してのライブだったんですね。クリック同期での初ライブということで、本格的なLiveマニピュレーターが必要となって、宇佐美氏が呼ばれた可能性があるということなのかな?

では、宇佐美氏がBABYMETALライブに参加するようになった具体的なきっかけは何だったんでしょうか?本人のからは明かされていないことですので、推測するしかないのですが、ライブ直前にこのようなツイートをしているのを見つけました。

この「新しいプロジェクト」の一つがBABYMETALのライブなわけですが「今回の安岡氏の現場でも」の「も」とあることから、BABYMETALライブに参加したきっかけも、別現場で知り合った方からの紹介がきっかけであったと解釈できると思うのですが。

ということで、これ以前のゴスペラーズ及び、安岡氏(ゴスペラーズメンバー;ソロ活動を宇佐美氏がサポートしている)関係以外のライブマニピュレータの仕事は・・・と探してみると、ありました。

2010年4月28日 「MEG TOKYO NIGHT PARTY 2010」
(Liveマニピュレーター)

works - usamix's note

中田ヤスタカ氏(言わずもがなのPerfumeプロデューサー)がプロデュースするMEG。アミューズと繋がりがある中田ヤスタカ氏本人が仲介したかどうかはわかりませんし、その可能性は薄いかな?とも思いますので、さらにMEGライブに参加しているミュージシャンを探っていると、こういう方を見つけました。

武藤彩未 / 永遠と瞬間 :: nishi-ken ☆ platinumink blooog | ブログ・ヤプログ!

このライブでのバンマスnishi-ken(西田憲太郎)氏は、2014-15年に彩未ちゃん(武藤彩未:元さくら学院、当時アミューズ所属)のアルバムで編曲をされているので、なんらかアミューズに関係しているかもしれません。

あと、可能性があるのは師匠である田辺氏のアーティストデビューとなったThe Gardensは、トイズファクトリー所属。レコード会社の紹介で参加することになった可能性もあるとは思います。

と、いくつか可能性を上げましたが、nishi-ken氏が最も「現場」に近い(というより現場そのもの)方なので、この繋がりでBABYMETALのLiveマニピュレータの仕事を始めた可能性が最も高いと推測しています。

またこのような発言もあります。BABYMETAL関係の仕事について、中長期的な契約は特に無く、都度決まる(短期契約)であることがわかります。(他の神バンドのメンバーも同じような契約なのでしょう)

さてさて、こういったインフォメーションでよくあるのが、ライブサポート関係のお仕事に関して「今度のライブは(も)出ますか?」「(出ること前提で)どんな感じになりますか?」といったご質問を受けること。これ、なかなか難しいのです。
そもそもサポートですので、毎回あるかどうかはわかりません。あったとして、それが毎回同じ人である保証もありません。レギュラー化しているところは確かにありますが、契約をしているわけではありませんので確約はありません。
オフィシャルメンバーとして公表されている場合は喜んでお答えしますが、今のところそういった現場はほぼございませんので基本的にはお答えしないこととしています。

usamix's note "baby talk" Rev.E: よく聞かれるんですが

 

 

BABYBONEとの仕事?

BABYMETAL「LEGEND "I"」以降、宇佐美氏は一時期を除いて主軸のLiveマニピュレーターとして活躍されるわけですが、その参加Liveについては(再度のリンクになりますが)宇佐美氏の公式サイトを見ていただくとして、

works - usamix's note

後にこんな発言をされています。

最初のワンマンから二年間に渡り神バンドの一部として、骨バンドでは全てを背負ったワンマンバンドとして、時に骨バンドが居ない時でさえも一緒にいろんな場所でいろんな景色を観てきました。

usamix's note "baby talk" Rev.E: BABYMETAL WORLD TOUR at London / BABYMETAL

バンドに対するシンパシーみたいなものが感じられるのですが・・・ということで、宇佐美氏参加以前のBABYBONEの登場回数をカウントしてみたいと思います。これもふらこメタルさんが収集してくれたライブ写真を元ネタとしました。(要するにこのエントリのタイトルネタの回収です・・・)

2012年4月8日 アイドル横丁祭!! @SHIBUYA-AX  ※骨バンド帯同(初)

http://su.hatenadiary.com/entry/2016/10/02/063515

2012年6月23日 POP'n アイドル02 @Zepp東京 ※骨バンド帯同

http://su.hatenadiary.com/entry/2016/10/13/084638

2012年7月6日 ヘドバ行脚ー!! in OSAKA@難波ROCKETS ※骨バンドなし

http://su.hatenadiary.com/entry/2016/10/18/063647

2012年7月8日 ヘドバ行脚ー!! in NAGOYA@ell.SIZE ※骨バンドなし

http://su.hatenadiary.com/entry/2016/10/18/063647

2012年7月21日 ヘドバンギャー!! リリースライブ@目黒鹿鳴館 ※骨バンドなし

http://su.hatenadiary.com/entry/2016/10/21/074827

2012年7月21日 LEGEND〜コルセット祭り〜 @目黒鹿鳴館 ※骨バンドなし

http://su.hatenadiary.com/entry/2016/10/22/062527

2012年8月19日 サマーソニック2012 @幕張メッセ ※骨バンドなし

http://su.hatenadiary.com/entry/2016/11/12/175248

2012年8月20日 SuGVSたむらぱんVSBABYMETAL @渋谷WWW ※骨バンド帯同

http://su.hatenadiary.com/entry/2016/11/19/073311

宇佐美氏参加以前のBABYBONE帯同は3回なのですね。宇佐美氏が同じ裏方としてBABYBONEの方々に共感を覚えているのかもしれませんね。(「LEGEND "I"」以降の回数はカウントできていないのでなんなんですが。すみません・・・無理やり回収)

 

 

(この項つづく)

マニピュレーター宇佐美秀文氏はBABYBONEの化身なのか?(その3) - 親愛なる小林啓様。