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親愛なる小林啓様。

さくら学院とBABYMETALの制作スタッフの謎を紐解く

ヒゲドライバー氏の苦悩の歴史がBABYMETALに導いたものとは?(その1)

らうちゃん(飯田來麗:元さくら学院)と島さん(島ゆいか:元可憐Girl's)のユニット「スピカの夜」の初のアルバム(ミニアルバム)のリリースが発表されてます。

natalie.mu

2015年の初のシングル曲「SPICA」のMV(2015年3月12日公開)は、フロント2人の容姿+ダンススキル+良曲なのに、さくら学院+BABYMETALの一部のファンにしか届いていない(だろうという)のはもったいないと思っていました。

「テクノ・ポップ系」の曲もYMO世代には嬉しい限りで・・・

www.youtube.com

アルバムの方は全7曲。うち4曲は2015〜6年にリリースされた2枚のシングル(配信限定)+新曲3曲となっています。

この新曲3曲中1曲は、既にYouTubeで公開されていて、ライブMV仕立てになっていますが、2人の後ろ、DJブースにいるのが、新作アルバム全曲のプロデュース及び全面的な楽曲制作を担っている「ヒゲドライバーです。

www.youtube.com

この「ヒゲドライバー」(以降「ヒゲ氏」)ってどんな人なんだろうと興味を持って調べ始めたのですが、なかなかに興味深いプロフィール&意外な繋がりが見えてきたので、ここにまとめてみようと思います。

f:id:Padi-METAL:20170215222358j:plain

http://natalie.mu/music/pp/t7s02

 

 

チップチューンの代表的アーティスト

ヒゲ氏(ヒゲドライバーという名で活動している男性ミュージシャン)は、1983年山口県宇部市生まれ。大学在学中からPCで音楽制作を開始し、2005年から「チップチューン」と呼ばれるジャンルの音楽を、無料インディーズ音楽配信サイトmuzieや、ニコニコ動画myspace等で公開を始めます。

チップチューン」とはゲーム機の内蔵音源チップにちなんだ名称の音楽ジャンルのようです。いわゆる「ピコピコ系」と言われているやつです。

43mono.com

2008年2月14日、ニコ動に公開されて話題になった(2017年現在、再生回数は150万回を超えている)と言われる『Hello Windows』は、Windowsの効果音だけで作られたオリジナル曲になっています。

www.nicovideo.jp

また、ヴォコーダー・エフェクトを効かせたボーカルを、チップチューン・アレンジと組み合わせた曲も制作していて、「マイティボンジャック」という曲が、活動初期の代表曲ののようです。SPICAの夜のアルバムにカバーが収録されているのがこの曲です。

www.nicovideo.jp

マイティボンジャック」は、2007年4月muzieで発表。以前より知る人ぞ知る良曲であったが、有志がPVを付け、楽曲とともにニコニコ動画に投稿したことで知名度がアップした。
ニコニコ動画より引用)

そしてヒゲ氏のチップチューン代表曲とも言えるこの曲。

www.youtube.com

 myspaceのアーティスト総合ランキング1位も獲得。また、日本のカルチャーを紹介するフランスのテレビ局No-Life TVの番組「Toco Toco」にて自身の楽曲である「ukigumo」が7週連続1位を獲得、殿堂入りを果たし海外でもその人気も博す。(後に同番組のOPテーマを楽曲提供。)
ニコニコ動画/ヒゲドライバープロフィールより引用)

ヒゲ氏は、インターネットを主な活動の場としているミュージシャンとしては、当時(2007〜8年頃)からかなり知名度があったようです。

 

 

孤独なサウンドクリエータ

ヒゲ氏は、大学卒業の前年2005年から楽曲公開を始め、2006年に大学を卒業。卒業後は実家である山口県で音楽制作を続け、プロミュージシャンとして自立を目指した様です。

音楽制作自体も独学で手探り、マネージメントやプロモーション等のプロとしての収入につなげるための活動も自前での活動開始だったようですが、インディーズレーベル(eden'sE)から声がかかり、2008年・09年にCDアルバムを2枚を立て続けにリリースします。

 

一方世間では、2007年にVOCALOID(ボカロ)が発表され、ボーカロイド初音ミクのブームが起きます

これでいわゆる「ボカロP」と呼ばれる、インターネット(特にニコ動)を中心に活動するミュージシャンがどんどん音楽業界に参入するようになります。

trendy.nikkeibp.co.jp

 

しかしそんな最中の2009年に、eden'sEは突如倒産してしまいます。結局、eden'sEからは2枚のオリジナルアルバム(CD)と1枚のミニアルバム(CD)を発表してますが、CDは全て廃盤となります。

2008年6月4日、初のオリジナルアルバム(CD)となるヒゲドライバー1UP』を、eden'sE(3UP)より発売。
2009年1月28日、2作目となるオリジナルアルバム(CD)ヒゲドライバー2UP』eden'sE(3UP)より発売。
2009年6月10日、シトラス・ネイ+ヒゲドライバー、ミニアルバム(CD)『100%ロマンティック』eden'sE(3UP)より発売。

Wikipedia/ヒゲドライバーより引用)

ヒゲ氏のプロミュージシャンとしての活動のスタートはその知名度に比較しても、相当に厳しいものがあったようです。当時のことをその後本人はブログでこう振り返っています。

ボーカロイドみたいな、ブームに乗ることもできず。
身近にいるネット系ミュージシャンたちが、ボカロPとしてどんどん売れていくのを、ずっと悔しい思いで見てました。
ホントに悔しかったなぁ。

http://blog.livedoor.jp/sudakoumauma/archives/1985341.html

また、後に所属するマネージメントオフィスの社長も、その頃のヒゲ氏の活動状況を次のように振り返っています。

金のない貧乏生活、仕事もなかなか取れなかったのがヒゲドライバー
ヒゲドライバーはボカロやネットレーベルといった集団やカルチャーの何処にも属さず、一匹狼のスタイルでいたもんだから大変。

それでいてボカロ嫌いで、プライドだけは高いのに機材はボロボロ(物理的にボロボロではなく、安すぎる機材)なもんだから、なーかなか音源でも勝負出来ないし…

http://lineblog.me/higedrivan/archives/67128724.html

ふたたび本人の弁です。

会社自体は他にもミュージシャンを抱えていて、それがほとんど赤字だったみたいで、会社は倒産。CDも廃盤になった上、ほとんど音信不通になって、アルバム2枚出したのに、実はお金はほとんど入ってきませんでした。

http://kai-you.net/article/25321

 

 

曲の良さでは自分はゼッタイ負けてない

こんな状況の中でも、楽曲制作では代表曲が生まれてきていました。

ニコ動プロフィールでは、「自身で作詞・歌唱も行い、冴えない男の妄想歌詞が特徴」とヒゲ氏自ら言っているように、非リアの心情を歌ったちょっと切ない歌詞世界、それに、POPなメロディー、疾走感あるギターアレンジ、ピコピコサウンドが上手く乗った良曲が数多く生まれました。

 

曲の良さを味わっていただくために、後に発表(再演)されたバンドVerの動画にて、代表曲を紹介します。 

www.youtube.com

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 実は、先ほどの本人の述懐では、このようなセリフが続いていました。

ボーカロイドみたいな、ブームに乗ることもできず。
身近にいるネット系ミュージシャンたちが、ボカロPとしてどんどん売れていくのを、ずっと悔しい思いで見てました。
ホントに悔しかったなぁ。
曲の良さでは自分はゼッタイ負けてないと、信じてたから。 

http://blog.livedoor.jp/sudakoumauma/archives/1985341.html

 

ですが、商業的(経済的)苦境はまだまだ続くことになります。

 

 

 


(この項続く)

ヒゲドライバー氏の苦悩の歴史がBABYMETALに導いたものとは?(その2) - 親愛なる小林啓様。